「ごみ」を表す言葉|くず・廃棄物・不用品からgarbage・trash・wasteまで

「ごみ」を表す言葉

「ごみ」は、日常生活で非常によく使われる日本語である。

「ごみを捨てる」「燃えるごみを出す」「道路にごみが落ちている」「食品のごみを減らす」「工場から大量のごみが出る」など、さまざまな場面で使われる。

しかし、一口に「ごみ」といっても、その中身は同じではない。

食べたあとに残ったものも「ごみ」であり、壊れて使えなくなった家具も「ごみ」である。工場から出る廃棄物も「ごみ」と呼べるし、道に捨てられた空き缶や紙くずも「ごみ」である。

さらに日本語には、「くず」「廃棄物」「不用品」「粗大ごみ」「生ごみ」「残飯」「がれき」「廃品」など、「ごみ」の周辺に多くの言葉がある。

英語でも「ごみ」を一つの単語だけで表すわけではない。garbage / trash / rubbish / waste / litter など、何がごみなのか、どのような状態のごみなのかによって表現が変わる。

では、そもそも「ごみ」とはどのような概念なのだろうか。

まず日本語の「ごみ」の世界を整理し、そのあとで英語ではこの世界をどのように分けているのかを見ていこう。

「ごみ」と「ゴミ」は違う?

「ごみ」には「ゴミ」という表記もよく使われる。

意味が異なるわけではない。

ごみを捨てる。
ゴミを捨てる。

どちらも同じものを指している。

「ごみ」は一般的な表記であり、自治体などでも「ごみ」と書かれることが多い。一方、「ゴミ」は看板や広告、会話的な文章などで目立たせるために使われることがある。

漢字では「塵」や「芥」と書かれることもあるが、現代の日常的な文章では「ごみ」と書くのが自然である。

この記事では、広い概念を表す言葉として「ごみ」に統一する。

「ごみ」に関係する日本語

「ごみ」の周辺には、その種類や状態によって多くの言葉がある。

日本語どのような「ごみ」か
ごみ不要になり、捨てる対象となったものを広く表す
くず物が壊れたり加工されたりして生じた細かな不要物
廃棄物不要になり、廃棄されるものを広く表す
不用品持ち主にとって必要なくなったもの
廃品使わなくなったり使えなくなったりした品物
生ごみ食品や調理から出る水分を含んだごみ
残飯食べ残した食事
紙くず不要になった紙の切れ端など
粗大ごみ家具などの大きなごみ
資源ごみ再利用・再資源化できるごみ
がれき建物などが壊れて生じた破片
廃材建築や加工などで不要になった材料
汚物排せつ物など、不潔で処理すべきもの
ポイ捨てごみ道路や公共の場所などに捨てられたごみ
ごみくず価値のない細かなごみを広く表す

これらはすべて「不要なもの」という点ではつながっている。

しかし、なぜ不要なのか、何から生じたのか、どのように処理されるのかによって言葉が分かれている。

「ごみ」の概念はどこへ枝分かれするのか

「ごみ」の中心には、持ち主や社会にとって不要になり、捨てたり処理したりする対象という考えがある。

そこから、いくつかの方向へ概念が枝分かれする。

不要になった理由|ごみ・不用品・廃品

まだ使えるが必要ないものなのか、壊れて使えないものなのかによって捉え方が変わる。

ごみの形|ごみ・くず・がれき

まとまった物なのか、細かな破片なのか、建物などが壊れて生じたものなのかという違いがある。

ごみの由来|生ごみ・残飯・廃材

食べ物から出たのか、食べ残しなのか、建築や加工から出たのかによって言葉が変わる。

処理の視点|ごみ・廃棄物・資源ごみ

日常的な「ごみ」なのか、処理対象として捉えた「廃棄物」なのか、再利用できる「資源ごみ」なのかという違いがある。

捨てられた場所|ごみ・ポイ捨てごみ

ごみ箱などに適切に捨てられたものと、道路や公園などに放置されたものでは捉え方が異なる。

このように「ごみ」は、単に「汚いもの」を表しているわけではない。

まだきれいで使える物でも、持ち主が不要と判断すれば「ごみ」になることがあるのである。

「ごみ」と「くず」|不要なものか、細かく残ったものか

「ごみ」と「くず」は近い言葉である。

部屋のごみを集める。
床の紙くずを拾う。

「ごみ」は、捨てる対象となったものを広く表せる。

一方、「くず」は、何かの一部や残りとして生じた、細かな不要物を表すことが多い。

たとえば「紙くず」「木くず」「糸くず」などである。

したがって、

ごみ → 不要になったもの全般

くず → 何かから生じた細かな残りや破片

という違いで考えると分かりやすい。

「ごみ」と「廃棄物」|日常語か、処理されるものとして見るか

「廃棄物」は「ごみ」よりも硬い表現である。

家庭から出たごみを分別する。
工場から出る廃棄物を処理する。

「ごみ」は日常生活で広く使われる。

一方、「廃棄物」は、不要になったものを廃棄・処理の対象として捉える言葉である。

そのため、行政・産業・環境問題などの文脈でよく使われる。

ごみ → 日常的な広い表現

廃棄物 → 処理・廃棄されるものとして捉えた表現

という違いが中心にある。

「ごみ」と「不用品」|捨てるものか、必要なくなったものか

「不用品」は、持ち主にとって必要がなくなった物である。

引っ越しで出た不用品を処分する。

ここで重要なのは、不用品が必ずしも壊れているとは限らないことである。

使える机でも、新しい机を買って必要なくなれば不用品になる。

つまり、

ごみ → 捨てる・処理する対象

不用品 → 持ち主にとって必要なくなった物

という違いがある。

不用品が売られたり、譲られたり、再利用されたりすることもある。

「不要であること」と「価値がないこと」は同じではないのである。

「不用品」と「廃品」|必要ないものか、役目を終えたものか

「不用品」と「廃品」も似ている。

「不用品」は、現在の持ち主にとって必要がないという視点が中心である。

一方、「廃品」は、使われなくなったり、古くなったり、役目を終えたりした品物を指す。

廃品を回収する。

という使い方が代表的である。

不用品 → 自分には必要ない

廃品 → 使用されなくなった品物

と考えると違いが見えやすい。

ただし、実際には両者が重なるものも多い。

「ごみ」と「生ごみ」|広いごみか、食品から出るごみか

「生ごみ」は、「ごみ」の中でも特に食べ物や調理に関係するものを表す。

野菜の皮を生ごみに出す。

野菜や果物の皮、魚の骨、食べ残しなどが代表的である。

「生」という言葉が入っているように、水分を含み、腐敗しやすいものが中心になる。

したがって、

ごみ → 不要になったもの全般

生ごみ → 食品・調理などから生じる腐敗しやすいごみ

という関係になる。

「生ごみ」と「残飯」|食品のごみか、食べ残した料理か

「生ごみ」と「残飯」は同じではない。

たとえば、料理をするときに出た野菜の皮は生ごみであるが、普通は残飯とは呼ばない。

「残飯」は、作られたり提供されたりした食事のうち、食べずに残ったものを指す。

残飯を処理する。

つまり、

生ごみ → 食品関係のごみを広く含む

残飯 → 食べ残された食事

という違いである。

「ごみ」と「粗大ごみ」|普通のごみか、大きくて処理方法が異なるごみか

「粗大ごみ」は、大きさの面から分けられたごみである。

古い机を粗大ごみに出す。

家具、自転車、寝具など、通常のごみ袋では処理しにくい大きな物が対象になる。

つまり「粗大ごみ」は物の材質を表しているのではない。

大きさや処理方法によって区別されたごみなのである。

何が粗大ごみに当たるかは、地域のルールによって異なる場合がある。

「ごみ」と「資源ごみ」|捨てるものか、再利用できるものか

「資源ごみ」という言葉には、一見すると少し矛盾がある。

「ごみ」でありながら「資源」でもあるからである。

空き缶を資源ごみに出す。

ここでは、持ち主にとっては不要なので「ごみ」である。

しかし、回収したあとに材料として再利用できるため「資源」として扱われる。

つまり、

不要かどうか

と

価値があるかどうか

は別なのである。

「ごみ」という概念を考えるうえで重要な点である。

「ごみ」と「がれき」|捨てるものか、壊れて生じた破片か

「がれき」は、建物や構造物などが壊れたときに生じる破片を指す。

倒壊した建物のがれきを撤去する。

木材、コンクリート、瓦などが混ざっていることもある。

「ごみ」は不要物全般を表すが、「がれき」は何かが破壊された結果として残ったものという性質が強い。

したがって、

ごみ → 不要物という広い分類

がれき → 建物などが壊れて生じた破片

という違いがある。

「がれき」と「廃材」|壊れて残ったものか、材料として不要になったものか

「廃材」は、建築・解体・製造などで不要になった材料である。

工事現場から出た廃材を処理する。

「がれき」は壊れた建物などの破片というイメージが強い。

「廃材」は、木材・金属・建築材料などを材料として不要になったものと捉えている。

そのため、

がれき → 破壊・倒壊などによって生じた破片

廃材 → 使用後や加工後に不要となった材料

という違いになる。

「ごみ」と「ポイ捨てごみ」|物そのものか、捨てられた場所に注目するか

空き缶や包装紙などは、適切なごみ箱に入っていても、道路に落ちていても「ごみ」である。

しかし、道路や公園など、本来捨てるべきではない場所に放置されたごみには、「ポイ捨てごみ」という捉え方が生まれる。

ここで重要なのは、中身ではなくどこに、どのように捨てられたかである。

この違いは、英語の litter を理解するときにも重要になる。

ここまでの日本語を概念で整理すると

「ごみ」の世界を整理すると、次のようになる。

概念日本語表現
不要になり捨てるものごみ
細かな残り・破片くず・ごみくず
廃棄・処理されるもの廃棄物
持ち主にとって必要ないもの不用品
使われなくなった品物廃品
食品関係から出るごみ生ごみ
食べ残した食事残飯
大きく処理方法が異なるごみ粗大ごみ
再資源化できるごみ資源ごみ
建物などが壊れて生じた破片がれき
不要になった材料廃材
不適切な場所に捨てられたごみポイ捨てごみ

こうして見ると、「ごみ」は物そのものの性質だけで決まるわけではない。

誰にとって不要なのか、なぜ不要になったのか、どこから出たのか、どのように処理するのかによって、さまざまな言葉へ枝分かれしている。

英語では「ごみ」をどう表すのか?

では、英語では「ごみ」をどう表すのだろうか。

代表的なのが garbage / trash / rubbish / waste である。さらに、道などに捨てられたごみには litter が使われる。

日本語のイメージ英語コアイメージ
日常生活で捨てるごみgarbage捨てられる家庭ごみ
不要な物・ごみtrash価値がなく捨てるもの
日常的なごみrubbish不要で捨てるもの
廃棄物・無駄になったものwaste使われず残り、廃棄されるもの
道などに散らかったごみlitter本来ない場所に散らばったごみ
建物などの破片debris壊れたものの破片・残骸
食べ残しleftovers食事として残ったもの

ただし、これは「ごみ=garbage」「廃棄物=waste」という完全な一対一対応ではない。

英語では地域差も大きく、特に garbage / trash / rubbish の使われ方には違いがある。

大切なのは、単語を日本語訳だけで覚えるのではなく、何をどのような「ごみ」として見ているのかを考えることである。

garbage|生活の中で捨てるごみ

garbage は、日常生活から出る捨てるものを表す代表的な語である。特にアメリカ英語でよく使われる。

Please take out the garbage.
ごみを出してくれる?

家庭で出るごみをまとめて指すことができる。

特に食べ物などから出るごみと結びつきやすいが、実際の使い方では家庭ごみを広く指すこともある。

日本語の「ごみ」とかなり重なるが、「ごみ」という日本語が持つすべての範囲を garbage 一語で表せるわけではない。

trash|不要になって捨てるもの

trash も、特にアメリカ英語で日常的な「ごみ」を表す。

Throw it in the trash.
それをごみに捨てて。

trash は、紙、包装、容器など、不要になって捨てるものを広く指せる。

garbage と trash は日常会話では重なる部分が大きい。

大まかなイメージとしては、

garbage → 家庭から出るごみ、特に食べ物を含むごみとも結びつきやすい

trash → 不要になって捨てる物を広く表しやすい

と捉えられる。

ただし、実際の使い分けには地域差や話者差もあるため、境界を厳密に考えすぎないことも重要である。

rubbish|不要で捨てるもの

rubbish は、特にイギリス英語で日常的な「ごみ」を表す代表的な言葉である。

Put the rubbish in the bin.
ごみをゴミ箱に入れて。

アメリカ英語で trash や garbage と呼ばれるものが、イギリス英語では rubbish と呼ばれることがある。

したがって、garbage / trash / rubbish の違いを考えるときには、物の種類だけではなく英語の地域差も意識する必要がある。

waste|使われず、不要になったもの

waste は、garbage や trash よりも広い概念を持つ。

The factory produces a lot of waste.
その工場は大量の廃棄物を出す。

ここでは、家庭のゴミ箱に入れる「ごみ」というより、産業活動などによって生じた「廃棄物」という意味に近い。

さらに、

food waste
食品廃棄物・食品ロス

plastic waste
プラスチック廃棄物

industrial waste
産業廃棄物

のように使える。

waste の重要なポイントは、単に「汚いもの」ではなく、使われずに残ったもの、不要になったもの、無駄になったものという広い概念を持つことである。

そのため waste は「ごみ」だけでなく、「無駄」という意味にも広がっている。

litter|本来ない場所に散らばったごみ

litter は、「ごみ」の種類そのものより、ごみが置かれている状態や場所に注目した言葉である。

There was litter all over the park.
公園のあちこちにごみが散らばっていた。

道路、公園、海岸などに捨てられた紙、容器、空き缶などが典型的である。

ゴミ箱の中に適切に入れられたごみを、普通 litter とは考えない。

したがって、

trash / rubbish → 捨てる物としてのごみ

litter → 公共の場所などに捨てられ、散らかったごみ

という違いが見えてくる。

日本語では「ごみ」と訳せても、litter には「ポイ捨てされたごみ」という視点が含まれているのである。

「ごみ」の周辺を表す英語

中心となる語だけでなく、ごみの種類によってさらに英語は枝分かれする。

食べ残し → leftovers

We ate the leftovers for lunch.
昼食に残り物を食べた。

leftovers は、必ずしも「ごみ」ではない。食事として残ったものを指し、あとで食べることもできる。

ここは日本語の「残飯」と完全には一致しない重要な点である。

建物などの破片・残骸 → debris

The road was covered with debris.
道路はがれきで覆われていた。

debris は、壊れた建物や事故などから生じた破片・残骸を表す。

細かな破片 → scraps

There were scraps of paper on the floor.
床に紙くずが落ちていた。

scrap は、紙・布・金属などの小さな残りや切れ端を表せる。

再利用できるもの → recyclables

Put the recyclables in this box.
リサイクルできるものはこの箱に入れて。

日本語では「資源ごみ」と呼ばれるものでも、英語では「ごみ」ではなく「再利用できるもの」という視点から表現することができる。

この違いからも、日本語と英語が同じ世界を必ずしも同じ境界線で分けていないことが分かる。

同じ物でも「どう見るか」で言葉が変わる

たとえば、空になったペットボトルを考えてみよう。

持ち主が不要だと思えば、日本語では「ごみ」と呼べる。

捨てる物として見れば、英語では trash などが考えられる。

再利用できる物として見れば、recyclable と捉えられる。

道に捨てられていれば、litter という視点が生まれる。

つまり、物そのものが最初から「ごみ」という種類に属しているとは限らない。

不要になったのか。

捨てられるのか。

再利用できるのか。

不適切な場所に捨てられているのか。

どこに注目するかによって言葉が変わるのである。

「ごみ」の概念地図

「ごみ」の中心を、

不要になり、捨てる・処理する対象となったもの

と考えてみよう。

日本語では、そこから次のように広がる。

ごみ
├─ 細かな残り・破片 → くず
├─ 処理される不要物 → 廃棄物
├─ 持ち主に必要ない → 不用品
├─ 使われなくなった品物 → 廃品
├─ 食品から出る → 生ごみ
├─ 食べ残したもの → 残飯
├─ 大きなごみ → 粗大ごみ
├─ 再利用できる → 資源ごみ
├─ 建物などが壊れて残る → がれき
├─ 材料として不要になる → 廃材
└─ 不適切な場所に捨てられる → ポイ捨てごみ

英語側では、同じ「ごみ」の世界が別の方向から分けられている。

不要になったもの
├─ 日常生活で捨てるごみ → garbage
├─ 不要で捨てる物 → trash
├─ 日常的なごみ → rubbish
├─ 廃棄される・無駄になるもの → waste
├─ 道などに散らかったごみ → litter
├─ 壊れたものの破片・残骸 → debris
├─ 材料などの小さな残り → scraps
└─ 再利用できるもの → recyclables

日本語と英語を一対一で結びつけるのではなく、「不要になったもの」という大きな概念から、それぞれの言語がどこに注目して言葉を分けているのかを見ると理解しやすい。

まとめ|「どのようなごみなのか」を考える

「ごみ」を英語にするとき、garbage だけを覚えていても十分ではない。

「ごみ」の種類日本語英語で考えられる代表的な表現
日常生活で捨てるごみごみgarbage / trash / rubbish
不要になった物ごみ・不用品trash など
廃棄されるもの廃棄物waste
食品から出る廃棄物生ごみ・食品廃棄物food waste
食事として残ったもの食べ残し・残り物leftovers
道などに捨てられたごみポイ捨てごみlitter
建物などが壊れた破片がれきdebris
細かな材料の残りくずscraps
再利用できるもの資源ごみrecyclables

重要なのは、

「ごみ=garbage」

と覚えることではない。

家庭から出たごみなのか。不要になった物なのか。工場などから出る廃棄物なのか。道路に捨てられたごみなのか。壊れた建物のがれきなのか。それとも、まだ再利用できる物なのか。

日本語では広く「ごみ」と呼べても、何に注目するかによって周辺の日本語も英語も変わってくる。

まず「どのようなごみなのか」を考える。

そうすることで garbage / trash / rubbish / waste / litter などは、ばらばらの英単語ではなく、一つの「不要になったもの」という概念世界の中でつながって見えてくるのである。

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