difficultとhardの違い

英語で「難しい」と言いたいとき、まず思い浮かぶのが difficult と hard ではないでしょうか。
This question is difficult.
This question is hard.
どちらも、
「この問題は難しい」
と訳せます。
では、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
大まかにイメージすると、
difficult = 簡単にはできない・理解できない「難しさ」
hard = 努力や苦労を必要とする「大変さ」
です。
ただし両者が重なる範囲はかなり広く、日常会話では置き換えられる場合もたくさんあります。
difficultは「簡単ではない」
difficultは、
easy(簡単な)の反対
として考えるとわかりやすい単語です。
This math problem is difficult.
この数学の問題は難しい。
問題そのものの難易度が高く、簡単には解けないということです。
English grammar is difficult for me.
英文法は私には難しい。
It is difficult to understand this book.
この本を理解するのは難しい。
このように、問題や課題、理解などの難易度の高さを比較的客観的に表現しやすいのがdifficultです。
hardは「やるのが大変」
hardにも「難しい」という意味があります。
This math problem is hard.
この数学の問題は難しい。
これは非常に自然な英語です。
ただしhardには、単なる難易度だけでなく、
「簡単にはいかない」「かなり頑張らなければならない」
という感覚があります。
Learning English is hard.
英語を学ぶのは大変だ。
これを、
Learning English is difficult.
としても間違いではありません。
しかしhardのほうが、「勉強するのが大変」「努力が必要」といった話し手の実感を表しやすくなります。
difficultは「難しい」、hardは「大変」
両者の違いをあえて日本語で表すなら、
difficult → 難しい
hard → 大変
とすると感覚をつかみやすくなります。
たとえば、
It was a difficult exam.
なら、
「難しい試験だった」
という試験の難易度に注目した感じです。
一方、
It was a hard exam.
なら同じく「難しい試験」ですが、
「解くのが大変だった」
という感覚も出しやすくなります。
ただし、これは明確に二分できるルールではありません。
実際には両方とも「難しい試験」という意味で普通に使われます。
日常会話ではhardがよく使われる
difficultとhardでは、hardのほうが日常会話で使いやすい表現です。
That’s hard.
それは難しいね。/それは大変だね。
It’s hard to explain.
説明するのは難しい。
It’s hard to say.
何とも言いにくい。
It’s hard to believe.
信じがたい。
difficultでも表現できるものがありますが、hardのほうが短く、会話的です。
一方、difficultはhardよりも少し硬く、客観的・フォーマルな響きを持つことがあります。
「つらい」ならhardが使いやすい
2語の違いがはっきりするのが、難易度ではなく精神的・肉体的な大変さを表す場合です。
It was a hard day.
大変な一日だった。
仕事が忙しかったり、嫌なことが起こったりして、つらい一日だったのかもしれません。
ここで、
It was a difficult day.
も使えますが、hard dayは非常に一般的な表現です。
I’m going through a hard time.
私は今、つらい時期を過ごしています。
このhardは単に「難易度が高い」と言っているわけではありません。
苦労・困難・つらさを伴う
というhardの意味が表れています。
hardには「一生懸命」という意味もある
hardは副詞としても非常によく使われます。
I studied hard.
私は一生懸命勉強しました。
ここで、
I studied difficult.
とは言えません。
hardには、
強い力をかける、全力で取り組む
というイメージがあります。
She works hard.
彼女は一生懸命働きます。
He tried hard.
彼は懸命に努力しました。
「難しい」と「一生懸命」が同じhardなのは、日本語から考えると不思議に感じるかもしれません。
しかし、
hardな仕事
→ 大きな努力が必要
→ hardに取り組む
と考えると意味のつながりが見えてきます。
hardには「硬い」という意味もある
さらにhardには、
硬い
という意味があります。
This bread is hard.
このパンは硬い。
The ground is hard.
地面が硬い。
difficultには、この意味はありません。
つまりhardの意味は、
「難しい」
だけではないのです。
硬くて簡単には変形しない
→ 簡単には処理できない
→ 努力が必要
→ 難しい・大変
という感覚で捉えると、hardという単語の広がりが理解しやすくなります。
difficultは人にも使える
difficultは人に対して使うこともできます。
He is a difficult person.
彼は扱いにくい人です。
これは、
「彼という人間を理解するのが難しい」
というより、
付き合ったり対応したりするのが難しい人
という意味です。
a difficult customer
対応の難しい客
a difficult child
扱いの難しい子ども
などとも言えます。
ここでもdifficultの「簡単には対処できない」という意味が残っています。
hard personは意味が違う
ここは注意が必要です。
a difficult person
と、
a hard person
は同じ意味ではありません。
a difficult person
→ 扱いにくい人、付き合いにくい人
なのに対し、
a hard person
は文脈によって「厳しい人」「冷酷な人」「強情な人」などの意味になります。
hardには「硬い」という中心的なイメージがあるため、人について使うと人間的な硬さ・厳しさを表すことがあるわけです。
hard questionとdifficult questionはどう違う?
どちらも自然です。
That’s a difficult question.
なら、
「それは難しい問題ですね」
と、その質問に答えることの難しさを比較的客観的に表現できます。
That’s a hard question.
も、
「それは難しい質問ですね」
という意味になります。
会話ではこちらも非常によく使われます。
たとえば、
「仕事と家族、どちらが大切?」
と聞かれて、
That’s a hard question.
と言えば、
単に知識がなくて答えられないのではなく、
簡単には答えを決められない
という感じがあります。
hardは「解くのに努力が必要」という意味だけでなく、判断するのがつらい・簡単ではないというところまで表現できます。
difficultとhardは完全には分けられない
difficultとhardを、
「difficultは客観的、hardは主観的」
と完全に分けて覚えるのは危険です。
This test is difficult.
This test is hard.
は、どちらも普通に使われます。
重要なのは、
difficultは「容易ではない」という意味に特化した言葉であるのに対して、
hardは「硬い・厳しい・大変・努力を要する」というもっと広いイメージを持つ言葉
だということです。
そのため、「難しい」の意味だけを見ればかなり重なりますが、hardのほうが意味の広がりがあります。
difficultとhardの違いまとめ
| difficult | hard | |
|---|---|---|
| 基本イメージ | 容易ではない | 簡単にはいかず努力が必要 |
| 日本語の感覚 | 難しい | 難しい・大変 |
| 問題が難しい | ◎ | ◎ |
| 日常会話 | ○ | ◎ |
| フォーマルな文章 | ◎ | ○ |
| つらい・大変 | ○ | ◎ |
| 一生懸命に | × | ◎ |
| 物が硬い | × | ◎ |
| 扱いにくい人 | ◎ | 意味が変わる |
一言で覚えるなら、
difficult =「簡単ではない」
hard =「簡単にはいかない」
と考えるとよいでしょう。
似ていますが、
「簡単ではない問題だからdifficult」
「簡単にはいかず、頑張らなければならないからhard」
という視点の違いがあります。
そしてhardはそこからさらに、
硬い → 厳しい → 大変 → 一生懸命
と意味が広がっていきます。
日本語の「難しい」だけを対応させるのではなく、このhardの広いイメージをつかむことが、difficultとの使い分けを理解するポイントです。