gameとmatchの違い

英語で「試合」を表す言葉には、game と match があります。
たとえば、
We won the game.
私たちは試合に勝った。
We won the match.
私たちは試合に勝った。
どちらも日本語では「試合」です。
では、gameとmatchは何が違うのでしょうか。
大まかにイメージすると、
game = ルールに従って行うゲーム・競技
match = 2つの相手を組み合わせて勝敗を決める対戦
です。
ただし、実際にはスポーツごとの慣習も大きく、「試合ならどちらでもいい」というわけではありません。
gameは「ゲームそのもの」
gameの意味は日本語の「ゲーム」よりもかなり広いものです。
日本語で「ゲーム」と聞くと、
- テレビゲーム
- スマホゲーム
- ボードゲーム
- カードゲーム
などを思い浮かべるかもしれません。
しかし英語のgameには、ルールに従って行う遊びや競技という広い意味があります。
そのため、スポーツの「試合」にも普通に使われます。
We watched a baseball game.
私たちは野球の試合を見ました。
野球ではgameが非常によく使われます。
matchは「相手と相手をぶつける」
matchには「組み合わせる」というイメージがあります。
日本語でも「マッチング」という言葉を使いますね。
AとBを組み合わせる。
そこから、
Aチーム vs Bチーム
A選手 vs B選手
のように、対戦相手を組み合わせて勝敗を決める試合をmatchと呼びます。
She won the tennis match.
彼女はテニスの試合に勝ちました。
They played a football match.
彼らはサッカーの試合をしました。
matchでは「誰と誰が戦うのか」という対戦関係が意識されやすいわけです。
gameは「競技」、matchは「対戦」
違いを単純化すると、
game → 何をするか
match → 誰と誰が戦うか
という視点の違いがあります。
たとえば、
a tennis game
という表現も存在します。
しかしtennis gameは、文脈によっては「テニスというゲーム」や、テニスの得点単位としての「1ゲーム」を意味します。
一方、
a tennis match
なら、選手同士が戦う一つの試合全体を意味します。
つまり、
gameは競技の仕組みそのものに注目しやすく、matchは対戦そのものに注目しやすい
と考えると違いが見えてきます。
テニスでは「game」と「match」は大きさも違う
テニスはgameとmatchの違いを理解するのに非常におもしろいスポーツです。
テニスでは、
point → game → set → match
という構造になっています。
ポイントを取ってgameを取り、複数のgameを取ってsetを取り、setを取って最終的にmatchに勝ちます。
つまり、
She won the game.
と、
She won the match.
では意味が違います。
前者なら試合の途中にある「1ゲームを取った」。
後者なら「試合そのものに勝った」です。
日本語でどちらも「ゲーム」と訳してしまうと、この構造がわかりにくくなります。
野球やバスケットボールではgameが自然
一方、野球では、
a baseball game
バスケットボールでは、
a basketball game
のようにgameが一般的です。
Did you watch the game last night?
昨日の夜、試合見た?
という表現もよく使われます。
特にアメリカ英語では、野球、バスケットボール、アメリカンフットボールなどの一試合をgameと呼ぶことが一般的です。
つまり、
game=試合の一部分
というルールがすべてのスポーツに当てはまるわけではありません。
テニスではgameが試合内部の単位になっていますが、野球ではgameそのものが一試合です。
サッカーはgame?match?
サッカーは少し複雑です。
どちらも使われます。
ただし、傾向としてはイギリス英語では、
a football match
が非常に自然です。
Did you watch the match yesterday?
昨日の試合見た?
のように言います。
一方、アメリカ英語ではsoccerについてgameも普通に使われます。
We have a soccer game tomorrow.
明日はサッカーの試合があります。
したがって、gameとmatchの使い分けにはイギリス英語とアメリカ英語の違いも関係します。
ボクシングはmatchよりfight
さらにややこしいのは、すべてのスポーツがgameかmatchになるわけではないことです。
たとえばボクシングなら、
a boxing match
も使えますが、
a boxing fight
a fight
もよく使われます。
陸上競技なら、
a race
競馬も、
a race
です。
つまり、日本語では何でも「試合」と呼べても、英語では競技によって、
game / match / race / fight
などを使い分けています。
「試合=game」と丸暗記するだけでは対応できないわけです。
gameには「遊び」という意味もある
gameはスポーツ以外にも広く使えます。
Let’s play a game.
ゲームをしよう。
a card game
カードゲーム
a video game
ビデオゲーム
a board game
ボードゲーム
これらには必ずしも「A対B」という明確な対戦関係が必要ではありません。
一人で遊ぶvideo gameもgameです。
ここからも、
gameの中心は「対戦」ではなく、ルールに基づいて行う活動
だとわかります。
matchには「合う」という意味がある
一方、matchにはスポーツ以外にも、
「合う」「一致する」「組み合わせる」
という意味があります。
This shirt matches your pants.
このシャツはあなたのズボンに合っています。
The two numbers match.
2つの数字が一致します。
さらに、
They are a perfect match.
彼らはとても相性がいい。
とも言えます。
スポーツのmatchも、この「2つのものを組み合わせる」というイメージから考えると理解しやすくなります。
A選手とB選手を組み合わせる
→ A vs Bの対戦
→ match
というわけです。
「誰と試合する?」ならmatchの感覚がわかりやすい
たとえばトーナメント表を想像してみましょう。
AさんとBさんを対戦させる。
CさんとDさんを対戦させる。
このように選手同士を組み合わせて作られる一つ一つの対戦がmatchです。
そのため、matchには「対戦カード」という感覚があると考えるとわかりやすいでしょう。
対してgameでは、「その競技・ゲームをプレイする」という活動そのものが前面に出ます。
gameとmatchは完全に意味だけでは決められない
ここで重要なのは、
「対戦なら必ずmatch、競技なら必ずgame」という厳密なルールではない
ということです。
実際にはスポーツごとの言い方がかなり定着しています。
たとえば、
| スポーツ | よく使われる表現 |
|---|---|
| 野球 | baseball game |
| バスケットボール | basketball game |
| アメリカンフットボール | football game |
| テニス | tennis match |
| サッカー | football match / soccer game |
| チェス | chess game / chess match |
| ボクシング | fight / boxing match |
| 陸上・競馬 | race |
そのため、基本イメージを理解したうえで、スポーツごとの自然な組み合わせを覚えるのが実用的です。
gameとmatchの違いまとめ
| game | match | |
|---|---|---|
| 基本イメージ | ルールに基づくゲーム・競技 | 相手同士の対戦 |
| 注目するもの | 競技・活動 | 対戦関係 |
| 一人でも成立する | ○ | 基本的に× |
| 野球 | ◎ | △ |
| バスケットボール | ◎ | △ |
| テニス | △ ※別の意味もある | ◎ |
| サッカー | ○ | ◎(特に英) |
| テレビゲーム | ◎ | × |
| 「合う・一致する」の意味 | × | ◎ |
一言で覚えるなら、
game =「何をプレイするか」
match =「誰と誰が対戦するか」
という違いです。
ただし、gameとmatchは単純な類義語ではなく、スポーツごとの慣習によって使い方が決まっている部分もあります。
日本語では野球もテニスもサッカーも「試合」と呼べますが、英語では同じ「試合」を違った角度から捉えています。
gameはルールのある活動、matchは相手との組み合わせ。
この基本イメージを持ったうえで「baseball game」「tennis match」のように実際の組み合わせを覚えると、gameとmatchの違いが理解しやすくなるでしょう。