autumnとfallの違い―どちらも「秋」なのになぜ2つある?

autumnとfallの違い

英語で「秋」は何と言うでしょうか。

学校では autumn と習った人も多いと思いますが、映画やドラマでは fall という言葉もよく耳にします。

I love autumn.
I love fall.

どちらも、

「私は秋が好きです」

という意味です。

では、autumnとfallにはどんな違いがあるのでしょうか。

最も大きな違いは、

autumn=イギリス英語で一般的
fall=アメリカ英語で一般的

という地域差です。

ただし、この2つの単語の歴史を調べると、単なる「イギリス英語とアメリカ英語の違い」ではないことがわかります。

実は fall ももともとイギリスで使われていた言葉なのです。

autumnもfallも「秋」

まず、意味そのものには大きな違いはありません。

Autumn is my favorite season.
秋は私の一番好きな季節です。

Fall is my favorite season.
秋は私の一番好きな季節です。

どちらも自然な英語です。

季節は、

spring → 春
summer → 夏
autumn / fall → 秋
winter → 冬

となります。

英語の四季の中で、秋だけ一般的な単語が2つあるわけです。

イギリスではautumn、アメリカではfall

現在の大まかな傾向としては、

イギリス英語 → autumn
アメリカ英語 → fall

です。

イギリスでfallと言っても意味が通じないわけではありませんし、アメリカでautumnと言っても間違いではありません。

ただ、日常的にどちらを選ぶかという傾向が違います。

たとえばアメリカでは、

fall colors
秋の紅葉

fall fashion
秋のファッション

fall semester
秋学期

fall season
秋の季節

など、fallがごく普通に使われます。

一方、イギリスではautumnが一般的です。

autumn leaves
秋の葉・紅葉

autumn weather
秋の天気

autumn colours
秋の色・紅葉

といった表現が自然です。

fallはなぜ「落ちる」と「秋」の両方の意味を持つ?

fallを「落ちる」という動詞として覚えている人は多いでしょう。

Leaves fall from the trees.
木から葉が落ちる。

では、なぜfallが「秋」を意味するのでしょうか。

実は、この葉が落ちることが関係しています。

かつて英語では、秋を表す表現として、

fall of the leaf

つまり、

「葉が落ちる季節」

という表現が使われました。

それが短くなり、fallだけで「秋」を意味するようになったと考えられています。

つまり、

leaves fall
葉が落ちる

というfallと、

in the fall
秋に

というfallは、まったく無関係な同音異義語ではありません。

「葉が落ちる」→「葉が落ちる季節」→「秋」

と意味が広がったわけです。

これは非常に覚えやすい語源です。

springとfallを並べるとさらに面白い

さらに面白いのが spring です。

springには、

「春」

以外にも、

「跳ぶ」「跳ねる」「湧き出る」

といった意味があります。

春になると植物が地面から芽を出し、自然が勢いよく動き始めます。

一方、fallは葉が落ちる季節です。

そのためイメージとしては、

spring → 草木が飛び出してくる季節
fall → 葉が落ちる季節

という対比も見えてきます。

springとfallは、日本語で「春」「秋」とだけ暗記すると無関係な季節名に見えますが、英語の単語が持つ動きのイメージまで見ると、季節の風景と結びついてきます。

autumnはどこから来た?

では、autumnは何なのでしょうか。

autumnは英語固有の言葉というより、フランス語を経由し、さらにさかのぼるとラテン語の autumnus に由来するとされています。

つまり、

fall=英語の「落ちる」という身近な言葉から生まれた季節名
autumn=ラテン語系の語から入ってきた季節名

という違いがあります。

語源的にもかなり性格の違う2つの単語が、同じ「秋」を表しているのです。

fallはアメリカで作られた言葉ではない

「fall=アメリカ英語」と聞くと、

「アメリカ人がautumnの代わりにfallという言葉を作ったのかな?」

と思うかもしれません。

しかし、そうではありません。

fallを「秋」という意味で使う表現は、イギリスでも使われていました。

その後、イギリスではautumnが優勢になっていく一方、北米ではfallが残って一般的になりました。

その結果、現在では、

イギリス → autumn
アメリカ → fall

という違いが目立つようになったのです。

つまりfallは、

アメリカで生まれた新しい表現というより、イギリスから北米へ渡って残った表現

と考えたほうが実態に近いのです。

autumnはアメリカでは使わない?

もちろん使います。

アメリカ人がautumnを知らないわけではありません。

ただし、日常会話ではfallのほうが一般的です。

また、autumnには文脈によって、fallより少し文学的・季節感のある響きを感じることがあります。

たとえば、

autumn leaves

autumn breeze

autumn sky

のような表現は、秋の情景を描写するときにもよく似合います。

ただし、

autumn=文学的、fall=日常語

と完全に分けられるわけではありません。

地域差のほうが基本的な違いです。

「秋に」はin autumn?in the fall?

前置詞にも少し違いが見えます。

イギリス英語では、

in autumn

が一般的です。

We visited London in autumn.
私たちは秋にロンドンを訪れました。

アメリカ英語では、

in the fall

がよく使われます。

We visited New York in the fall.
私たちは秋にニューヨークを訪れました。

ここで、

in autumn
in the fall

という形の違いにも注目してみましょう。

fallを季節名として使うアメリカ英語では、theを伴う表現が非常によく使われます。

ただし実際の英語にはバリエーションがあるため、「絶対にこの形でなければならない」と覚えるより、典型的な組み合わせとして覚えるとよいでしょう。

autumnとfall、どちらを覚えればいい?

英語学習者としては、両方覚えておくのがおすすめです。

意味は同じなので、理解するだけなら、

autumn = fall = 秋

で問題ありません。

自分で話すときには、普段学んでいる英語に合わせればよいでしょう。

アメリカ英語を中心に学んでいるならfall。

イギリス英語を中心に学んでいるならautumn。

ただし、相手が別の単語を使ったときに、

「あれ?fallって落ちるじゃなかったっけ?」

とならないように、両方知っておく必要があります。

autumnとfallの違いを整理

最後にまとめます。

autumnfall
意味
イギリス英語一般的現在は主流ではない
アメリカ英語使われる一般的
語源ラテン語系「落ちる」から
日常的な表現英国で一般的米国で一般的
「秋に」の典型例in autumnin the fall

最も簡単に覚えるなら、

autumn=イギリスでよく使う「秋」
fall=アメリカでよく使う「秋」

です。

しかし、fallの成り立ちまで知ると、もっと覚えやすくなります。

Leaves fall in the fall.
秋には葉が落ちる。

一つ目のfallは「落ちる」という動詞。

二つ目のfallは「秋」という名詞です。

日本語にするとまったく別の言葉ですが、英語ではこの2つがつながっています。

「葉が落ちる(fall)季節だからfall」

と覚えてしまえば、「秋=fall」はもう忘れにくいでしょう。

autumnとfallの違いは、単なるイギリス英語とアメリカ英語の違いだけではなく、英単語が自然の風景からどのように生まれ、地域によって残ったり使われなくなったりしたのかが見えてくる面白い例なのです。

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