officeとcompanyの違い―どちらも「会社」じゃないの?

officeとcompanyの違い

英語の officecompany は、どちらも日本語で「会社」と訳されることがあります。

たとえば、

I’m going to the office.
会社に行ってきます。

という表現があります。

しかし、

I’m going to the company.

とは普通あまり言いません。

日本語ではどちらも「会社」なのに、なぜでしょうか。

結論からいえば、

company=会社という組織
office=仕事をする場所・事務所

という違いがあります。

日本語の「会社」という言葉が、この2つの意味をまとめて表しているため、英語にするときには注意が必要です。

companyは「会社という組織」

companyは、人が集まって事業を行う会社・企業という組織そのものを表します。

I work for a pharmaceutical company.
私は製薬会社で働いています。

ここで言っているのは、「製薬会社という場所で働いている」というよりも、その企業に所属して働いているということです。

そのため、

This company has 500 employees.
この会社には500人の従業員がいます。

The company was founded in 1990.
その会社は1990年に設立されました。

Our company makes medical devices.
私たちの会社は医療機器を製造しています。

などと言えます。

会社を「組織」「企業」として見ているわけです。

officeは「仕事をする場所」

一方、officeの中心的な意味は事務所・オフィス・仕事場です。

I’m at the office.
会社にいます。

日本語では「会社にいる」と訳すのが自然ですが、英語では「会社という組織の中にいる」のではなく、仕事をする場所にいるのでofficeを使います。

I left my phone at the office.
会社にスマホを置いてきた。

これもわかりやすい例です。

スマホを置いてきたのは「会社という組織」ではなく、物理的な場所です。

そのためcompanyではなくofficeが自然です。

「会社に行く」はgo to the office

日本語では、

「毎朝8時に会社に行く」

と言います。

これを英語にすると、

I go to the office at 8 every morning.

となります。

なぜ、

I go to the company.

ではないのでしょうか。

日本語の「会社に行く」の「会社」は、実際には会社という組織ではなく会社の建物・職場を指しているからです。

つまり日本語の「会社」には、

①企業・組織としての会社
②働く場所としての会社

という少なくとも2つの見方があります。

英語では①ならcompany、②ならofficeと使い分けることがあります。

work for a companyとwork in an officeの違い

この違いがよく表れるのがworkです。

I work for a company.

と、

I work in an office.

では、伝えている情報が違います。

I work for a company.

「ある会社に勤めています」という意味です。

どんな組織に所属しているかに注目しています。

I work in an office.

「オフィスで働いています」という意味です。

こちらはどんな場所・環境で働いているかに注目しています。

たとえば、同じ人について、

I work for a pharmaceutical company, but I usually work from home instead of going to the office.

「製薬会社に勤めていますが、普段はオフィスには行かず在宅勤務をしています」

と言うこともできます。

companyとofficeがまったく別のものを指していることがよくわかります。

companyは「人・組織」、officeは「場所」

イメージで考えるなら、

company → 人が集まってできた組織
office → その人たちが働く場所

とするとわかりやすいでしょう。

たとえば、ある会社が東京と大阪にオフィスを持っているとします。

会社そのものは1つでも、

The company has offices in Tokyo and Osaka.
その会社は東京と大阪にオフィスがあります。

と言えます。

つまり、

1 company + 複数の offices

ということが普通にあります。

この例を見ると、companyとofficeが同じ「会社」ではないことがはっきりします。

officeには「会社」以外の意味もある

officeを「会社」とだけ覚えてしまうと、意味がわからなくなる表現があります。

たとえば、

doctor’s office

は「医師の会社」ではありません。

「診療所・医師の診察室」といった意味になります。

また、

post office

は「郵便局」、

head office

は「本社・本店」、

branch office

は「支店・支社」、

government office

は「官公庁・役所」

などを意味します。

共通しているのは、officeがある仕事・業務を行う場所や拠点を表していることです。

head officeが「本社」なのは面白い

日本語の「本社」はcompanyを使いたくなりますが、英語では head office という表現があります。

Our head office is in Tokyo.
当社の本社は東京にあります。

ここでもofficeは「企業そのもの」ではなく、企業の中心となる業務拠点を表しています。

一方、

Our company is based in Tokyo.

なら、

「当社は東京を拠点としています」

というように会社という組織に視点があります。

「会社」という日本語が少し曖昧

officeとcompanyがわかりにくい最大の理由は、日本語の「会社」という言葉の範囲が広いことです。

「会社を設立する」

と言ったときの会社は組織です。

一方、

「会社に財布を忘れた」

と言ったときの会社は場所です。

日本語ではどちらも同じ「会社」で済みます。

ところが英語では、

start a company
会社を設立する

leave my wallet at the office
会社に財布を忘れる

のように表現が変わります。

英単語を日本語訳だけで一対一対応させようとすると、この違いが見えにくくなります。

companyとofficeの違いを一言で

最後に整理してみましょう。

単語中心イメージ
company会社・企業という組織I work for a company.
office働く場所・事務所・業務拠点I’m at the office.

迷ったときには、

「会社という組織について話しているのか?」
→ company

「仕事をする場所について話しているのか?」
→ office

と考えると判断しやすくなります。

たとえば、

「会社が新製品を発売した」

なら、行動しているのは企業という組織なので company

「会社に傘を忘れた」

なら、傘を忘れた物理的な場所なので office

日本語では同じ「会社」でも、英語では組織を見るか、場所を見るかによって単語が変わるのです。

この違いを理解すると、officeとcompanyを単なる「会社の類義語」として覚えるのではなく、英語が物事をどのように切り分けているのかが見えてきます。

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