becauseとsinceの違い

英語で理由を表す代表的な接続詞に because と since があります。
I stayed home because it was raining.
雨が降っていたので、私は家にいました。
Since it was raining, I stayed home.
雨が降っていたので、私は家にいました。
どちらも日本語では、
「~なので」「~だから」
と訳すことができます。
では、becauseとsinceは何が違うのでしょうか。
大まかにいうと、
because →「なぜ?」に対する理由を伝える
since → 理由を前提として、その先の話をする
という違いがあります。
一言でイメージするなら、
because=「なぜなら」
since=「~なのだから」
と考えると分かりやすいでしょう。
becauseは「理由」に注目する
becauseの中心にあるのは理由・原因です。
たとえば、
Why did you stay home?
なぜ家にいたの?
と聞かれたら、
Because it was raining.
雨が降っていたから。
と答えられます。
質問している人は「家にいた理由」を知りません。
そこでbecauseを使って、その理由を伝えています。
つまり、
結果 → なぜ? → because → 理由
という関係です。
I went to bed early because I was tired.
疲れていたので早く寝ました。
ここでも、
「なぜ早く寝たの?」
に対して、
「疲れていたから」
という理由を示しています。
becauseは、理由そのものが重要な情報である場合に非常に使いやすい接続詞です。
sinceは「その事情なら」
sinceも理由を表すことができます。
Since you’re tired, you should go to bed.
疲れているのだから、寝たほうがいいですよ。
この文では、
you are tired
ということを強く説明したいわけではありません。
「疲れている」という事情を前提にして、
だったら寝たほうがいい
と話を進めています。
日本語なら、
「疲れているんだから、寝たほうがいいよ」
くらいの感覚です。
つまりsinceでは、
理由 → その事情なら → 結論
という流れになります。
becauseは「理由を教える」、sinceは「理由を共有する」
両者の違いをさらに単純化すると、
because → 相手に理由を教える
since → 理由は分かっているものとして話を進める
と考えることができます。
たとえば、
I can’t go because I have to work.
なら、
「行けない。なぜなら仕事があるから」
と、行けない理由を説明しています。
一方、
Since I have to work tomorrow, I’ll go home early.
なら、
「明日は仕事なんだから、今日は早く帰ろう」
という感じです。
「明日仕事がある」という事情を土台にして、だからどうするのかに重点があります。
ただし、これは絶対的なルールではありません。
実際にはbecauseとsinceを入れ替えても意味がほとんど変わらない文章もたくさんあります。
重要なのは、話し手がどこに重点を置いているかです。
Why?への答えにはbecauseが自然
この違いが最も分かりやすく現れるのがWhy?への回答です。
Why are you late?
なぜ遅れたの?
Because I missed the bus.
バスに乗り遅れたから。
これは非常に自然です。
一方、
Why are you late?
に対して、
Since I missed the bus.
だけで答えるのは、通常becauseほど自然ではありません。
Why?は明確に理由を尋ねているからです。
そのため、
Why? → Because …
はセットとして覚えてもよいでしょう。
becauseとsinceでは情報の重点が違う
次の2文を比較してみます。
I didn’t go out because it was raining.
Since it was raining, I didn’t go out.
どちらも、
「雨が降っていたので外出しなかった」
という意味です。
しかし、少し見方が違います。
because
I didn’t go out because it was raining.
「外出しなかった」
↓
「なぜ?」
↓
「雨が降っていたから」
という流れです。
理由である「雨」に焦点があります。
since
Since it was raining, I didn’t go out.
「雨が降っていた」
↓
「そういう状況なので」
↓
「外出しなかった」
という流れです。
こちらは理由を前提として、その結果どうしたのかへ話を進めています。
sinceは文頭に置かれやすい
sinceは、理由を表す節を文頭に置く形と相性がよい表現です。
Since it’s getting late, let’s go home.
遅くなってきたので、帰りましょう。
Since you’re here, let’s start the meeting.
あなたも来たことですし、会議を始めましょう。
Since we have some time, let’s get coffee.
少し時間があるので、コーヒーでも飲みましょう。
先に事情を提示して、
「この状況なんだから……」
と結論につなげています。
日本語でも、
「もう遅いんだから、帰ろう」
「みんな揃ったんだから、始めよう」
という言い方があります。
この感覚はsinceにかなり近いでしょう。
becauseも文頭に置ける
では、becauseは文頭に置けないのでしょうか。
そんなことはありません。
Because it was raining, I stayed home.
は正しい英文です。
「Becauseで文を始めてはいけない」と聞いたことがある人もいるかもしれませんが、because節のあとに主節が続いて完全な文になっていれば問題ありません。
Because I was tired, I went to bed early.
も普通に使えます。
ただし、
Because I was tired.
だけでは、文脈によってはWhy?への返答として成立するものの、独立した正式な文として書く場合には従属節だけになってしまいます。
sinceには「~以来」という意味もある
sinceを難しく感じる最大の理由がこれでしょう。
sinceには理由の「~なので」だけでなく、
「~以来」「~してから」
という時間の意味があります。
I have lived here since 2020.
私は2020年からここに住んでいます。
I haven’t seen him since he moved to Tokyo.
彼が東京へ引っ越して以来、会っていません。
このsinceはbecauseに置き換えられません。
つまりsinceには大きく、
① 理由:~なので
② 時間:~以来
という2つの使い方があります。
sinceが「~なので」か「~以来」かはどう判断する?
基本的には文脈から判断します。
Since he came here, things have changed.
これは、
「彼がここに来て以来、状況が変わった」
と時間的に読むのが自然です。
一方、
Since he is here, let’s ask him.
なら、
「彼がここにいるのだから、彼に聞いてみよう」
という理由です。
since+過去の出来事が現在までの時間的な起点を示していれば「~以来」になりやすく、
ある事実を提示して、その結果・判断へ進むなら「~なので」と考えると理解しやすいでしょう。
becauseなら意味がはっきりする
sinceには「~以来」という別の意味があるため、文によっては一瞬意味が分かりにくくなることがあります。
そのような場合にはbecauseを使えば、
「これは理由を表している」
とはっきり示せます。
特に理由を明確に説明したい場合は、becauseが最も分かりやすい選択肢です。
英作文で、
「becauseとsinceのどちらを使えばいいか分からない」
という場合、理由を明確に伝えることが目的ならbecauseを選ぶと考えておくと使いやすいでしょう。
becauseは強い理由、sinceは弱い理由?
「becauseは強い理由、sinceは弱い理由」と説明されることがあります。
完全な間違いではありませんが、少し注意が必要です。
becauseは、
「これが理由です」
と理由そのものに焦点を当てやすいため、結果的に理由が強調されて聞こえます。
sinceは、
「この事情なんだから」
と理由を前提にして先へ進むため、理由そのものの重要度が低く感じられることがあります。
つまり単純に、
because=強い
since=弱い
というより、
because=理由にスポットライトを当てる
since=理由を土台にして結論にスポットライトを当てる
と考えたほうがニュアンスを捉えやすいでしょう。
asも「~なので」になる
理由を表す接続詞には as もあります。
As it was raining, we stayed home.
雨が降っていたので、私たちは家にいました。
一般的なイメージとしては、
because → 理由を明確に示す
since → 既知・明らかな事情を前提にする
as → 背景事情として理由を添える
と整理できます。
ただし、because・since・asの使い分けには文脈や文体による重なりがかなりあります。
そのため、機械的に「この場合は絶対because」と考えるより、どの情報を強調したいのかを見ることが大切です。
becauseとsinceの違いまとめ
becauseとsinceは、どちらも理由を表して「~なので」「~だから」と訳すことができます。
しかし、話し手の情報の置き方が少し違います。
| because | since | |
|---|---|---|
| 基本イメージ | なぜなら | ~なのだから |
| 注目するもの | 理由・原因 | 理由を前提とした結論 |
| Why?への回答 | ◎ | △ |
| 理由を強調 | ◎ | ○ |
| 既知・明らかな理由 | ○ | ◎ |
| 文頭で理由を提示 | ○ | ◎ |
| 「~以来」の意味 | × | ◎ |
たとえば、
I stayed home because it was raining.
なら、
「なぜ家にいたの? → 雨だったから」
というイメージです。
一方、
Since it was raining, I stayed home.
なら、
「雨だった → そういう状況なので家にいた」
というイメージです。
一言で覚えるなら、
because=「理由を伝える」
since=「理由を前提にする」
です。
どちらも日本語では「~なので」になってしまいますが、英語では理由そのものを新しい情報として伝えたいのか、その理由を土台にして次の話へ進みたいのかによって選択が変わります。
becauseとsinceの違いは、単なる日本語訳ではなく、文のどこにスポットライトを当てるかの違いと考えると理解しやすいでしょう。