guestとvisitorの違い

英語で「客」を表す単語には、guest と visitor があります。
たとえば、
We have a guest today.
We have a visitor today.
どちらも「今日はお客さんが来ています」と訳せそうです。
しかし、guestとvisitorは同じ「客」でも、話し手とその人との関係性が少し違います。
大まかに言えば、
guest=招かれた・迎えられた客
visitor=その場所を訪れた人
です。
guestとvisitorの基本的な違い
| guest | visitor | |
|---|---|---|
| 日本語 | 客、招待客、宿泊客 | 訪問者、来訪者 |
| 中心イメージ | 迎えられる人 | 訪れる人 |
| 招待 | 関係しやすい | 必要ない |
| 主催者との関係 | 強い | 必ずしもない |
| ホテル | 宿泊客 | 訪問者 |
| 観光地 | 通常あまり使わない | 観光客・来訪者 |
| パーティー | 招待客 | 単なる訪問者なら可能 |
重要なのは、単純な「客の種類」ではなく、誰の視点からその人を見ているのかです。
guestは「迎える側」がいる
guestの特徴は、その人を迎える側が存在することです。
たとえば、友人を自宅に招待したとします。
We have guests for dinner tonight.
今夜は夕食にお客さんが来ます。
この場合、家の人が客を迎えます。
パーティーでも同じです。
There were about 50 guests at the wedding.
結婚式には約50人の招待客がいました。
結婚式を開く側がいて、そこに招かれた人たちなのでguestです。
つまりguestには、
host(迎える人・主催者)⇔ guest(迎えられる人)
という関係があります。
visitorは「visitする人」
visitorは非常にわかりやすく、
visit + -or
からできています。
つまり、
visitor=visitする人=訪問する人
です。
そのため、その人が招待されているかどうかよりも、ある場所を訪れていることに注目します。
The museum attracts thousands of visitors every year.
その博物館には毎年何千人もの人が訪れます。
博物館を訪れる人はvisitorです。
博物館側から一人ひとり招待されたわけではありません。
同様に、
visitors to Japan
日本を訪れる人々
visitors to the park
公園を訪れる人々
などと使えます。
guestは「人との関係」、visitorは「場所との関係」
両者の違いをもう少し抽象化すると面白くなります。
guestでは、
人 ⇔ 人
という関係が強くなります。
「私があなたを家に迎える」「ホテルが宿泊客を迎える」「番組が出演者を迎える」という関係です。
一方、visitorでは、
人 → 場所
という関係が強くなります。
「博物館を訪れる」「日本を訪れる」「病院を訪れる」といった具合です。
したがって、
guest=迎える側との関係から見た人
visitor=訪れた場所との関係から見た人
と考えると、かなり使い分けやすくなります。
家に来た人はguest?visitor?
家に誰かが来た場合には、どちらも使える可能性があります。
We have a guest.
なら、
「お客さんが来ている」
という感じです。
その人を自分たちが迎えていることに重点があります。
一方、
We have a visitor.
なら、
「訪問者が来ている」
という感じになります。
こちらは「誰かが訪ねてきた」という事実に重点があります。
たとえば突然誰かが家を訪ねてきた場面なら、
You have a visitor.
お客さんが来ていますよ。
という表現が使えます。
日本語ではどちらも「お客さん」ですが、英語では視点が違うわけです。
ホテルではguest
ホテルに泊まっている人は通常、
hotel guest
と呼ばれます。
The hotel can accommodate 200 guests.
そのホテルには200人の宿泊客が泊まれます。
ホテルは単に「訪れる場所」ではなく、客を受け入れてサービスを提供する側だからです。
guestには「もてなされる人」というニュアンスがあります。
一方、ホテルに泊まっている人を訪ねてきただけの人なら、visitorと呼ばれることがあります。
つまり、
guest=ホテルに迎えられている宿泊客
visitor=ホテルを訪ねてきた人
という違いが生まれます。
病院ではvisitor
病院の場合、患者のお見舞いなどに来た人は、
visitor
です。
Visitors are not allowed after 8 p.m.
午後8時以降の面会者の立ち入りは禁止されています。
病院に「招待された客」というより、患者などを訪ねてきた人だからです。
この場合guestでは不自然です。
visitorは「訪問」という行動そのものを基準にしているので、病院、学校、会社、観光施設など幅広い場所で使えます。
テレビ番組ではguest
テレビやラジオ番組に呼ばれた人は、
guest
です。
Today’s guest is a famous actor.
今日のゲストは有名な俳優です。
日本語でもそのまま「ゲスト」と言いますね。
番組側がその人を招いて迎えているからguestです。
guest speaker
招待講演者
guest star
ゲスト出演者
special guest
特別ゲスト
なども同じ考え方です。
観光地ではvisitor
観光地に来た人ならvisitorがよく使われます。
The castle attracts many visitors.
その城には多くの観光客が訪れます。
この人たちは城から個人的に招待されたguestではありません。
自分からその場所を訪れているvisitorです。
ここでも、
guest=迎えられる人
visitor=訪れる人
という違いがよく表れています。
customerとはどう違う?
「客」を表す英単語には customer もあります。
ここまで含めると、「客」という日本語の広さがよくわかります。
guest
→ 迎えられる客
visitor
→ 訪れる客・訪問者
customer
→ 商品やサービスを購入する客
たとえばレストランでは、お金を払って食事をする人なのでcustomerとも言えますが、お店側がもてなす人という意味ではguestと表現されることもあります。
つまり英語では、日本語の「客」を、
訪問しているのか
迎えられているのか
商品を買っているのか
という関係によって別の単語で表しているわけです。
guestとvisitorは同じ人にも使える
重要なのは、guestとvisitorが「完全に別種類の人」を表しているわけではないことです。
たとえば友人を自宅に招いた場合、その友人は、
「あなたを訪れている」
という意味ではvisitorです。
同時に、
「あなたに迎えられている」
という意味ではguestでもあります。
つまり、現実の人物そのものにguestやvisitorという属性が固定されているわけではありません。
その人をどの関係から捉えるかによって単語が変わるのです。
これは英単語のニュアンスを理解するうえで重要なポイントです。
イメージで覚えるguestとvisitor
2つの単語をイメージで覚えるなら、矢印で考えるとわかりやすいでしょう。
guest
host → guest
誰かがその人を「こちらへどうぞ」と迎え入れるイメージです。
visitor
visitor → place
その人がある場所へ向かって訪れるイメージです。
つまり、
guest=迎えられる方向
visitor=訪れる方向
という違いがあります。
まとめ
guestとvisitorは、どちらも日本語では「客」と訳されることがあります。
しかし中心となる考え方が違います。
guest
- 招待客
- 宿泊客
- パーティーの客
- 番組のゲスト
- 誰かに迎えられる人
visitor
- 訪問者
- 面会者
- 観光地への来訪者
- ある場所を訪れる人
たとえば、
We have a guest staying with us.
お客さんがうちに泊まっています。
では「迎えている客」なのでguest。
The museum had 10,000 visitors last month.
その博物館には先月1万人が訪れました。
では「訪れた人」なのでvisitorです。
日本語の「客」だけから考えると区別しにくいですが、
guest=迎えられる人
visitor=訪れる人
と考えると、両者の違いがかなりわかりやすくなります。
そしてこの違いは、「人の種類」というよりも、
その人と周囲との関係を、どちら向きから見ているのか
の違いだと考えるとよいでしょう。